昨日は友人と欧文の活版印刷(日本一レベル)の職人さん宅へ、
日本で唯一、そこだけしかない欧文活字を見せてもらいに行ってきました。
【活字(かつじ)】
狭義においては活版印刷の際に文字の図形を対象(特に紙)に印字するもので、
木や金属に字形を刻み、それにインクをつけて何度も印刷できるようにしたものである。
(Wikipedia・活字より)
↓これが活字と呼ばれるもの
“Movabletype wikipedia1“. Licensed under GFDL via Wikipedia.
要は、近代において文字印刷の際に使われた文字版のこと。
【欧文(おうぶん)】
ヨーロッパ諸国の言語で書かれた文章。
また、それを書き表すための文字。特にローマ字。
(weblio辞書・欧文より)
♦ 貴重でも、時代の移り変わりは厳しいなぁ…
今となっては日本で他にない欧文活字を見せてもらいました。
欧文はアルファベット26文字と数字と記号類だけとはいえ(和文に比べたらという意味で)、
1サイズに各1文字に文章が組めるだけの数量も揃ったものが1セットになり、
活字自体は鉛でできているので1セットは相当重くなります。
例えば、9ポイントサイズの1セット、12ポイントの1セット、と
各サイズごとに揃える必要があります。
*余談ですが、活字自体は鉛でできているので勝手に捨てることもできません。
(特別管理廃棄物扱いです。)
でも、ここは日本なので和文による活字よりも
特に欧文活版印刷の方が衰退が大きいように思います。
♦ レコードのような残り方になっていく?
音楽のような時代の移り変わりを受けている活版印刷ですが。
全くなくなるとは思えません。
マニアのものになりそうな気配はありますが、
それでも活字で印刷された文字を見ると、
やはり美しいと感じるんですよね。文字そのものを。
また、活版では本文全体に刷りの強弱が生まれ、
文字が勝手に目に映る感覚があります。
(あくまで個人の感想ですけど。笑)
実際、もう本の本文を組めるほどの会社が残っていないですし、
現在それをやったら1冊何千円で済むのかわからないくらい高くなりそうです。
贅沢な。。
グーテンンベルクの印刷革命当時ならともかく、
現在では本に求めているものは文字の美しさではなく
書かれている情報ですからね。。
詩や絵本なら情緒あって良さそうですが、
まあ、売れなさそうです。(汗)
♦ 出生名刺・人脈名刺
銀座にある、とある活版印刷屋さんで名刺を作ると
出世する・人脈が広がると界隈では有名な活字屋さんもあります。
(私も今度作るならそこにお願いしてみようと考えています。)
活版印刷での名刺には雰囲気というか、名刺自体の佇まいが違います。
その代わりお安くありませんけど。目安は1枚100円くらい。
そういった個人・会社ブランドとして活用されていくのなら
デジタルでサクッとプリントできる現在では求めが多そうです。
実際に活版印刷での名刺の文字を見たことで
文字への興味が自然と湧いてきたんですよね。
プリントのフォントではここまでこんな気分にならなかったのですが、
文字そのものの制作、活字の製造の手間なども含めてそう感じるのかはわかりません。
美しいな、と。
やってみたいな、と。
で、活版ワークショップへ参加したり、
昨日も欧文活字を見させてもらいに片道2時間かけて出かけましたし。(笑)
おかげでとても楽しい1日になりました。
**最後に**
ネットで活版印刷と謳いながら
それは活版ではなく凸版印刷だろうと思われるものも多いです。
【凸版印刷】
版の凹凸を利用する印刷法の一つで、
非画線部を凹、画線部を凸にして凸部にインクをつけ、
紙に転写する方式。
(Wikipedia・凸版より)
浮世絵、芋版などが凸版印刷にあたります。
活字を組み、それを版として印刷するのが活版印刷です。
刷り上がりの紙に凹凸を作るだけなら凸版印刷といいます。
(専門用語で細かく書けばエンボス加工でないかと思われるものもあります。)
要するに、活版じゃないのに活版と謳っているところがなきにしもあらずなのです。
もし出世名刺が作りたくなったらご相談ください。(笑)
今日も来てくれてありがとうございます^^
それではまた!
*** 今日の雑談 ***
見学後、行きたいと思っていたマーチエキュートへ。
カフェがステキすぎ♥
学生の頃と比べてお茶の水が近代化されて驚いています。。。