昨日のブログでは、
「プロダクト」「グラフィック」「エディトリアル」の
デザイナー3分野の違いをザックリと言い切り解説しました。
専門職であるデザインはれぞれの分野のみならず、
各分野の中でも求められる力量と責任が細分化され
役職が一応分かれています。
本日は「クリエイティブディレクター」「アートディレクター」「デザイナー」の
3役職の違いを私見でザックリ簡単解説をしたいと思います。
前提は、広告業界からみた役回りです。
特に「クリエイティブディレクター」という肩書きは
業種によって、例えばファッション業界やテレビ業界などと比べたら
求められる能力や責任が変わると思われます。
(よその説明は詳しくないからできません^^;)
厳密にいえばいろいろ違うし(笑)、
プロジェクトによっては明確に線引きされてなかったりしますが、
ここは全体をお伝えするために言い切ります。
♦ クリエイティブディレクター
クリエイティブチームの総責任者です。
*略称は「CD」。
クライアントからの要望を聞いて、
伝えたいと思う人たちは誰で、
どんなメッセージを、
どのメディアからならメッセージが届くのか、
どのような伝え方ならメッセージが届くのか、
何をもってゴールとするのかを決めます。
もちろんクライアントの問題解決のために
オーダーとは違う答えを用意することも。
ここでいうクリエイティブチームというのは、
ビジュアル表現だけでなく、コピー、CM(映像)、キャンペーン、
ウェブ、セールス・プロモーション、などなどの
宣伝・ブランディング活動に関わる
各パートの専門職が集まったチームのことです。
それぞれ違う表現媒体を使って
統一したメッセージとイメージが伝わるよう保つのもお仕事です。
ですので、企画を考えるだけでなく(それもスタッフに任せる人もいる)、
各パートのスタッフィングも行ったりします。
まあ、クリエイティブの全体をまとめる人と思ってもらえれば。(笑)
プロジェクトの規模によって、明確にこの役職があるとは限りません。
コピーライターが、CMプランナーが、アートディレクターが、
CDを兼務することもあります。
佐藤可士和さんは
アートディレクターからの、CDもこなす方です。
♦ アートディレクター
ビジュアルに関する責任者です。
*略称は「AD」。
コピー(言葉)ならコピーライターが責任を持ちます。
ADはメッセージの見せ方・表現に責任を持ち、
コンセプトからどんな表現が適切に伝わるのかの方向性とゴールを示します。
レストランでいうところの料理長であり、
自分の好きな料理を出すのではなく、
お客さんの体調や気分・状況によって、
どんな料理がいいのかを決めるお仕事です。
実際に作るのが料理人(デザイナー)になります。
CDはレストランマネージャーにあたるでしょうか。
ADはグラフィックデザイナーからの
キャリアアップがほとんどかと思います(私もそうです)。
今は建築家であったり、プロダクトデザイナーであっても、
表現を正しく決めることができるならグラフィックデザイナーでなくても
できる人はやっているのが現状です。
また、あえて書きますが、
アートディレクションはアート(芸術)とは全くの別物です。
ですので、ADはアーティストではありません。(笑)
♦ デザイナー
実際に手を動かして作る人です。
*略称は「D」。
いわゆるグラフィックデザイナーです。
現場では、兼デザイナーとして自らの手を動かして制作するADもいますし、
制作はデザイナーに全て任せ、アートディレクションに徹するADもいます。
グラフィックデザイナーがアートディレクターになることは、
キャリアとしてステップアップしたことと同義になります。
(現実、もらえる給料が変わるから。笑)
産業革命後の労働者のように寝ないで働いているのは
だいたいこの層だと思ってもらえればよろしいかと。。
もちろん、中にはADとしての実力がありながらも
こだわりを持ってグラフィックデザイナーだと名乗る方もいらっしゃいます。
◆◆◆
昨日今日にわたり、
デザイン分野とデザイナー役職の解説をしましたが、
キレイに分かれているワケではありません。
広告業界の中で見たら、
ヒエラルキーは上からの順番通りになりますが、
実際には状況は様々であり、
その線引きはデザインの各分野以上に曖昧です。
いいアイデアなら誰が出しても良いし、
いいアイデアだと気づける目利き力もCDやADには必要だと思います。
(残念ながらDに決定権はないかな…)
アイデアを一つに決めるのって結構難しいものですから。
わかりやすく説明できれていればいいけど、
中から外へ向けて伝わるように書くというのは
また違う難しさがありますね。(笑)
それではまた!
*** 今日の雑談 ***
冬の雨は雪より寒く感じますねー(^^;)