デザインの仕事といえば『デザインをすること』ですが、
では『デザインをする』とはどういうことなのでしょうか。

 

♦ (A) 「どう言うか」を作る<デザイナー

端的に書くと、表現そのものを作ることです。

わかりずらいですね。(苦笑)

webでも、ポスターでも、パッケージでも、身近な名刺や
広く捉えれば、コピーやブログを書くことも、
見えるカタチに落とし込むのが、表現する・定着させる行為になります。

『表現する・定着させる』こと、
「何を、どう言うか」の
「どう言うか」そのものを作ります。

言葉で言えば『好き』ということを伝えたいのならどんな表現がいいのか、
「大好き」で伝わるのか、
「一番好き」がいいのか、
「誰よりも好き」がいいのか、
『好き』という枠が決まった中で、
どう伝えるのがいいのかを考え表現します。

オペレーションと違うのは、言われた通りに作るのではなく、
そもそも何を伝えたいのかを理解した上で、
伝えたい意図が伝わるように仕上げることになります。

※オペレーションは言われた通りにしか作りません。
※思い通りに作りたいなら、デザイナーではなくオペレーターに頼んだ方がいいですね。

 

♦ (B) 考え方を理解して、どう表現したらいいのかを決める<アートディレクター

表現の方向性を決めます。

わかりずらいですね。(苦笑)

何でも表現する前に、どうしたらより伝わるのかを考えると思います。

「何を、どう言うか」の
「何を」の部分が伝わるために、
「どう言うか」の枠を決めるのが仕事です。

「何を」の部分が愛情を伝えたいのであれば、
「好き」と言った方がいいのか、
「愛している」と言えばいいのか、
「口で言うのではなく手紙で伝える」方がいいのか、
「言葉では何も言わずにプレゼントする」など、
伝わるための表現の方向性を判断するのが仕事です。

※(A)を兼務するアートディレクターは少なくありません。特にフリーランス。

 

♦ (C) どう考えるのかから設計する<クリエイティブディレクター

そもそもどうあるのがベストなのかを考えます。

わかりずらいですね。(苦笑)

そのこうあった方がいいという姿を考え描きます(ビジョン)。
ビジョンから、枠にとらわないよう
現状から何を変えて何を変えないのかを決めます。

問題解決のための「デザイン思考」はこの範疇を指すことが多いです。

「何を、どう言うか」の
「何を」の部分、本質は何かを考えるのが仕事です。

愛情を伝えたいは、感謝を伝えたいからなのでは?とか、
愛情を伝えることによってどんな変化を望むのか?など、
そもそもなぜそうするのかを考えるのです。

80:20の法則(パレートの法則)でいう20%の部分を担う仕事です。

※この範疇を担う人もアートディレクターと呼ぶことも多々あります。
佐藤可士和さんや田子學さんとか。

 

♦♦♦ まとめ ♦♦♦

実際の仕事ではこんなにキレイに分断はされません。(笑)

(B)(C)の分割はやや言葉遊びに近いのですが、
思考のレイヤーが違うので、あえて分けてみました。
この2つは特につながって考えることが多いです。
(いえ、つながっていないとおかしいからです。)

ブランディングではこの3つがちゃんと噛み合っていないと
大コケすることが少なくありません。

また、念のため書きますが(A)の表現の定着も重要な要素です。
『伝え方が9割』という本もあるように、見せ方がヘタだと残念な結果を招きます。

正直に書けば、今現在の私は(C)を目指しつつ(B)の位置におり、
受ける仕事も(C)(B)の案件を中心にやっていこうと考えています。

もちろん(A)のデザイナーではあり続けますが、
(A)単体だけでは価格競争になりやすく、
価格勝負では日本にいる以上、地球上の他の地域の人達に
遠くない将来にきっと負けてしまうでしょう。
(あるいはコンピュータかも…)

仕事としても、(3)はかなりの腕が入りますが、
「一生学び」というのが最近ひしひしとリアルに感じています。

 

それでは今日はこの辺で!また次回

 

*** 今日の雑談 ***

気つけば夜中に仕事をしなくなりました。
夜遅くの打合せもほとんどやりません。
状況によってはそうなることもありますが、
基本そうならないようにしています。